細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

カラマーゾフの兄弟 上・中・下

原卓也訳、新潮文庫。つまり新しいのじゃない方の訳。本屋さんで3冊揃って並んでて、いまなら読めるかもというか買わなきゃ読めないというか、とにかく呼ばれたのでした。
1月近くかかりましたが、無事読了。ちゃんと面白かったです、最初に目の前の話が何を話しているのかわからないって混乱しなければ、物語の展開自体は罪と罰より引き込まれた(最初は少し手こずった(笑))。
全体が長いので、普通の小説だったら3pくらいの登場人物の心情語りが30pくらいある感じ?で、うっかりしてるとその30pの途中で「ストーリーどこだっけ?」と道に迷う。でも大丈夫、読み進めればちゃんと文豪が道案内くださいます。とにかく進むべしです。
そして30pとか50pとか費やされてるその内容が、やっぱり魅力なんですよね。大審問官の章ってこんな位置づけだったのか・・・。
これはやっぱり信仰の話で、それとも信頼の話で?はたまた様々な人物のどうにもならない、けれどもよくよく理解できる感情の話で。
神を疑うに足る理由があって、でも信仰があって、どちらにしたって三人の兄弟は全然違うのにみんな切実でそして魅力的で。名作ってやっぱすごいわ。