細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

亡霊は夜出歩く

はやみねかおるの名探偵2。今度は学校が舞台です。同級の男の子がいい味出してて名探偵も形無しです(笑)・・・っていやいや、部外者名探偵の関わり具合、男の子の探偵ぶり、メインの謎解きはなかなか大掛かりですがむしろ小さな謎解きあれこれの、現実味と納得がこのシリーズの醍醐味かな。かなり楽しい♪承前承後の、特に今回最後の謎解き一押しです。推理小説だからって、ひとが死ぬ必要もないばかりか(これはこのシリーズのポリシーらしいです)危険さえなくていい、健やかに楽しめて幸せです。
物語の本筋も、ひとへの信頼がたゆたっていて、実は読みながらもうひとつ劇的で悲しい展開を予想していたけれどそうはならなかった。それはたぶん人を責めない語り手の信念だろうと作者を信頼するのです。