細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

欲ばり過ぎるニッポンの教育

苅谷剛彦増田ユリヤ。対談とそれに伴うそれぞれの論述。内容は「教育には人とお金(と時間)がかかる」という極々もっともな一言に尽き・・るわけじゃないけどそれが主題。研修の教材も時間も機会も与えずに、全国一律に教師に要求だけすることは(総合学習にせよ英語学習にせよ)間違っているし出来るわけがないという話。それは私も諸手を挙げて賛成するところなのだけど、そこで増田さんがこだわった、じゃあ「それをしてもらうには私学や塾に行かせなきゃいけないのか」という公教育に対する漠然とした不安をどうしたらいいかは難しい。不安を解消するべきで英語を形ばかり教えればいいわけじゃないんだけど、さてはて、どうやって。
これは読みやすい読み物だけど、私は苅谷先生のまとまった何かを読むのはこれがはじめて。絶対評価と個別評価は違うという話なんて、言われてみれば当たり前だけど言われるまで意識していなかった。今の私を昨日の私と比べるとことと、客観的な要求水準と比べることとは、そりゃもう全然違う。といって絶対評価が絶対善とは決して言わないよくできた本。
日本の教育は今のままでいいんじゃないか、もっと予算をつぎ込めば。フィンランドと日本の教育はそうは変わらない。改革はプラスとは限らず、少なくとも一つ余分に求めれば何かがはみ出す。・・・・・不安を解きたい、それだけは強く願われているそんな本。
だいたい、道徳なんて学校で教科として教えてどうするよ!・・・orz (←これは私見
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