細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ローマ世界の終焉

ローマ人の物語最終巻。15年間本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。楽しかった!毎年待っていたなんて、15年も待っていたなんて、ハンニバル戦記とかローマは一日にしてならずを読んでいたのが○△のころだったなんてもう、びっくりです。バスの中とか、ベッドの上とか、うわ懐かしい。さて、ついに表紙が人の顔ではなくなってしまいました。出てきませんでしたからね、確かに。ローマ人ではない「最後のローマ人」か、「最後のローマ人」以降のローマ人かで。
私にとってこのシリーズは、イタリアが好きになりハンニバルがユリアヌスが好きになり、ということももちろんありますが、こんな文学の形式があるんだ、という幸せでもありました。決して学術書ではなく、でも小説でもない。創作ではないけど(ないから?)とても楽しませるもの。史記なんかを読むときにはこんな気分なのですが、現代ものでももっともっとあるといいのに。
歴史そのままと歴史ばなれ(鴎外の全文を引いた塩野七生のエッセイ、サイレント・マイノリティ所収)を読み直しつつ、また第1巻からゆっくり楽しんでいこうと思います。ほんと、一生楽しめます。
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