細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

仕事のなかの曖昧な不安

玄田有史ニートよりはちょっと前、初出2001年。幸いにして文庫化、それは去年。
経済学の本ですよ、労働経済学の。データがたくさん入ってて。はじめから終わりまで。なのにですね、泣きました、比喩でなく。「自分で自分のボスになる」本文中で主として開業の奨励に使われているこのフレーズは、読者からの反響を踏まえて、文庫版のあとがきでは少し違う文脈で語られている。いわく、「それでも自分のボスは自分なのだ」。そういう思いをひそかに抱きながら今も働き続ける若者たちがいる。悲しいんだか嬉しいんだか、ああ、そうだ、と思うのだ。
中にはそれデータなしにおっしゃってますよね?!(笑)ってのもあるけど、しかし、こんなにたくさんのことが裏付けを持って言えるというその事実には驚く。(クロス集計よりも複雑な統計の利用方法は私の理解の外だ。)理解の外なんだけど、その説明も簡単にちゃんと書いてあって、理解の取っ掛かりの第一歩。こんど別の本読んでてわからないことあったら、これに戻りそうです。
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