細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

りかさん

梨木香歩。客人が帰るのを駅まで見送りに行って、そのまま本屋さんにふらふらと。あっという間に読了、そうそう軽いわけでもない、謎(まだ理解できないこと)も結構ひっぱるのだけれどしかし読みやすい。導入がこれまた上手いのだ、ようこの気持ちもお母さんの気持ちも絶妙だ。よくわかって苦くて暖かい。
本筋のほうも(<そんなに作品をばらばらに切ってはいけません)とてもいい。大人も葛藤することを梨木さんははっきりと書く。人形の世界にだって、いろいろある。そして人形としてはめずらしい(^^)美質とか、桜にようこが思ったこととか、言葉の離れ業とか、かわいそうとかわいいは違うとか、かわいいと思う方法とか、「いい人形だねぇ」とか、惹かれることがらのオンパレードで、子どもには、いや誰にでも人生は、そういうちょっとちょっとが降り積もって育って深くなっていくんだ。
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