細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

労働審判制度の利用調査

最近あまりこの手の本を読み切っていなくて、何となくジュンク堂をふらふらしているときに買った本。およそ1月で無事に読みきれたのは何より!アンケートって面白いよね。
東大社会科学研究所が裁判所の協力を得て行った労働審判利用者に対するアンケートとその分析。巷で言われる「高い評価」が、数字をもって裏付けられるその業績はすごい。そして仁田先生の「未組織の使用者」への支援というか知識へのアクセスが必要という論考に目から鱗です。監督署が地道に契約法の説明会するの、意味あるんだなぁ・・・っても、制度改正でもないと、毎年やるものでもないけどね。(←そもそも労働審判の話じゃない)
あっせんの説明の時にどこまで話すかとか、より良いところへのポイントは、いろんな当事者がいろんなタイミングで持っている。民事訴訟での類似の試みや、解決金の額の分析、労使弁護士のそれぞれの提言など、読みどころたっぷりです。(労側宮里先生からは労働審判制度の制度改善の対立論点が、使側中山先生からは弁護士は何を改善すべきかがわかります。)(統計の因子分析を多分はじめて読んだけど、何かほかにいい読み物ないかなあ。)